

コラム
「フランシスコ教皇の言葉」

interior St. Peter’s Basilica in Vatican
飯田敏勝
フランシスコ教皇さま、あなたは、もうそんなに若くはありませんし、これまでたくさんのことを成しとげてきました。世界をもっと美しく、すばらしくするために、残りの人生であと何をしたいですか?…ハンネスとリデウィアから
親愛なるハンネスとリデウィアしたいことはたくさんあります。いつもほほ笑んでいたいです。……あとは、苦しんでいる人々を助けてあげたいです。間違ったことがまったく起こらないようにできたらと思いますし、少なくとも、間違ったことがあまり起こらないようにできたらと思います。それから、子どもたちがイエスさまと知り合うのを助けたいです。世界から、奴隷がまったくいなくなるようにとも願っています。この世界には、まだまだたくさんの奴隷がいるのです。これらのことをすべてしたいと思いますが、わたしは年をとっていますし、残された人生は少ないのです(わたしの人生の糸巻きには、わずかな糸しか残っていません)。何ができるかは、神さまだけがご存じです。 フランシスコ
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『フランシスコ教皇さまへ』(ドン・ボスコ社、2016年)という、4月21日に天に帰られた教皇が世界中の子どもたちからの質問に答えた本があります。
質問の中には「子どものころ、おどるのは好きでしたか?」や「なぜサッカーをするのが好きなのですか?」といったものもありますし、信仰のことや世界のことを真剣に問うているものもあります。それらに誠実に答えつつ、きちんと指導する教皇の姿勢がうかがえます。
重い責任と教会内外への影響力の大きさを持つ務めです。カトリック内部ではリベラル派と保守派のせめぎ合いがありますが、リベラル代表格のフランシスコは世間一般には非常にウケが良かったですね。個人的にはコロナ禍中、一人でミサを執り行っていた姿が忘れられません。
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「どうしたら世界中の問題を解決できますか?」に対しては、以下の答えです。
……世界中のすべての争いを解決することはできませんが、わたしたちは、地球をもっとよい場所にしようと努力することができます。……残念ながら、争いをなくす「魔法のつえ」はありません。戦争に勝つためのいちばんよい方法は、戦争を始めないことだということを、人びとに分からせなければなりません。簡単でないのはわかっています。でも、やってみます。あなたもやってみてください。