コラム

『プレバト‼』を用いた信仰解説

牧師 飯田敏勝

 先日、テレビ番組『プレバト‼』のタイトルの由来はプレッシャーバトルの省略形だと説明したら、説教中にも関わらず「えっ!そうなの?」という声が聴衆席から上がりました。
 説教中の私語を容認するわけでありませんが、ま、そこは大曲教会の雰囲気ということでご看過ください。そもそも説教中にそんな言及をする牧師が悪いのです。「そうなんですよー」と軽く受け流して、話を続けました。
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 なぜそんな言及をしたかといえば、ヨハネ福音書1章の「言」は原語でロゴスです。けれども単に「ことば」という側面だけでなく、「理性」や「説明」といった訳語もあり、漢字一文字で言い表すなら「理(ことわり)」の側面も強いのです。
 そのことを説教で伝えたいがために、『プレバト‼』の俳句を引き合いに出したのです。
たとえば助詞のたった一文字を変えただけや、同じ文字づらでも語順を入れ替えたりすると、読者に伝わるものが変化するのが手に取るように分かります。
 他の芸術分野の批評では、グラデーション(灰色の白黒の度合いのような変化)になってしまうところを、言葉であるがゆえに明瞭に変換が成し遂げられ、より的確になったことがうかがえます。
 この辺に、ロゴスの側面が反映していることを、言いたかったのです。
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 あと、この番組で面白いのは出演者たちの成長が観察できることです。
 総合演出者のインタビューを読んだことがありますが、芸術的センスというのは結構一発で分かるものなので、「才能アリ/ナシ」の判定だけで出演者も一回キリが当初の想定でした。ところがアリにしてもナシにしても出演者の反応が面白く、番組独自のスターを生み出したくなり、続けていくと努力や発展が見受けられるので「特待生」制度を導入したというのです。
 割に最近のトピックとしては、千原ジュニアが連続昇段する破竹の勢いは凄まじいものでした。35回出演して14回「才能ナシ」を取ったKis-My-Ft2の二階堂高嗣が、3回連続「才能アリ」となり、やっと俳句の基本の型(一番基本的な五七五と季語)を身に着けたことは、素直に感動させられました。
 神の国は成長のたとえで多く語られていて、それを分かりやすく提供してくれる巷の素材にもわたしは関心を持っているのです。
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 ちなみに秋田にはTBS系列のテレビ局がなく、『プレバト‼』と日曜劇場のドラマが共に日曜正午から放送されています。礼拝後にどちらを見るか迷っている方が大勢います。