コラム

修養会のすすめ

牧師 飯田敏勝

 7月9日の主日礼拝後に、教会全体修養会が予定されています。年度主題「新しい歌を主に向かって歌え」を扱い、ここに込められた思いを皆さんと共有したいと願っています。
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 信じるきっかけは神さまが与えてくださり、人それぞれです。ただ、自分の心を頼りにするだけでは、御言葉は鳥に食べられたり、枯れてしまったり、茨にふさがれてしまいます(参照、マタイ13章)。
 わたしたちの信仰は、アカデミックに専門用語で言うなら〈知解を求める信仰〉byアンセルムス、になります。それを平易に説明した言葉を最近読んだ本の中で出会いました。
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 私たちが神を理解すればするほど、私たちはいっそう深く神を信頼し、いっそう神のもとで安らぐことができるようになります。そしてまた、私たちが神を信頼すればするほど、私たちはいっそう正しく神を理解することになるのです。(F.ゴンサレス『21世紀のキリスト教入門』教文館、2022年。29~30頁)
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 前掲書の序盤において、信仰は聖霊なる神さまの働きかけによって生じるもので、わたしたちが学んだからといって決してそれで信仰が生まれるのではない、と語ります。しかし、上記の引用のように学びによって信仰が育つのは確かです。
 心の中に留めるだけではあいまいだったものが、理性によって整理できます。剪定して次の枝を伸ばすように、筋道が明瞭になります。
わたし自身の体験でいえば、学んだピースがはめ込まれることで、自分自身の信仰の体系が整い、アップグレードされる思いをしたことが何度もあります。
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 ただし修養会は単なる研修、純粋にお勉強するだけの場とは違います。
 もう一つの大きな目的は交流です。参列者同士の人格的な交わりを深く持つ機会です。
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 「新しい歌」を説く上で、修養会の前半では詩編40編の聖書研究をすると思います。予習的に読んでおいてくださると助かります。
 そして講師側の一方的解説にならず、懇談を通して相互に理解が深まることを願っています。
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 ただ、別に大真面目な質問だけでなく、新しい牧師に訊いてみたいことがあれば、遠慮なく訊いてくれればと思っています。これまで説教を聞いていたら、少しは牧師の人となりや性格も見えてきているでしょう?
 信仰のことはもとより、どんな話題でもいいですから交流をもっていただけると、皆さんに通じる言葉をこちらから発することがよりできるようになるでしょう。