コラム

オルガンについて

飯田敏勝

 7月26日(水)に一日だけ休暇をとったら、「飯田先生の夏休み、これだけ?」との反応も聞こえてきました。いえいえ、また別に休暇はとりますが、祈祷会がある水曜に静岡音楽館AOIに行きたかったがため公式にお休みを頂戴したのです。
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 英和の吹奏楽部と音楽部の関係で一度AOIに入ったら、立派なパイプオルガンがあるじゃないですか。その音色を確認しておきたかったんです。調べたら時々500円でオルガンコンサートがあり、今回の水曜だったのです。オルガニストは木村理佐さんという方でした。
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 夏休みで子どもの来場者も多く、オープニングはディズニーが2曲。わたしもディズニー好きなので、このパートは結構楽しみにしていました。が、ちょっと嚙み合わなかった感じでした。
 AOIのオルガンは41ストップ、パイプ総数2868本の立派なものなので、ディズニーの曲にしては音が重厚すぎるのが、わたしと肌が合いません。
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 続いては、オルガンといえばのJ.S.バッハが何曲か続きます。ここも非常に楽しみにしていましたし、お馴染みの「主よ、人の望みの喜びよ BWV147」があります。しかし、またもや肌が合わず、です。礼拝の中で耳にしてきた機会が多いので、どうしてもただのコンサート曲としてはノレないのです。
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 逆説的ですが、続く「アヴェ・マリア」になったら(少なくともわたしたちの)信仰とは関係がないので、素直に音楽として楽しめました。
 サン=サーンスの「白鳥」を含め、動物をテーマにした数曲は、オルガンの多様な音色を活かせて、大いに楽しめました。
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 非常に満喫できたのはジブリでした。主題歌ではなく映画の一場面から切り取った楽曲が、大きなオルガンだからこそ、それこそ映画的に表現できていました。
 アンコール曲も「さんぽ」でしたが、前奏と後奏に重厚な響きを入れて印象的な幕引きになっていました。
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 鍵盤楽器としてはピアノのほうが一般には馴染みが深いでしょうが、ピアノが打楽器なのに対して、パイプオルガンは笛を組み合わせた構造です。
 教会では伝統的にオルガンが多く使われてきました。歌の伴奏としてはピアノの躍動感が相応しい曲も多々ありますが、讃美の会衆の声と馴染む(人間の声も笛的な構造で出されるものですから)要素がオルガンにはあると思い、大いに関心を持っている次第であります。