コラム

讃美歌集について

飯田敏勝

 目下日本基督教団の教会の礼拝で使われる讃美歌集は、主たる選択肢として『讃美歌(1954年版)』、『讃美歌第二編』、『讃美歌21』がありましょう。
 『讃美歌(1954年版)』と『讃美歌第二編』は合本が主流になっているので、ほぼ『讃美歌(1954年版)』だけを使用の草深の状況は多少見直していいかと判じています。
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 年度目標「新しい歌を主に向かって歌え」を主題にした教会全体修養会では、実際に新規な讃美歌を歌うことだけではない(絶えず新たに主に出会うからこそ、新しい歌を歌えるのだ)と説きました。とはいえ、実際に新しい歌を歌わなければ心は弾みません。できるだけ月ごとに『讃美歌第二編』か『讃美歌21』の曲を歌っていこうと考えています。
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 1967年発行の『讃美歌第二編』には、1954年発行の『讃美歌』の補助的役割があります。従来の歌集になかった多様な場面で讃美するのに相応しい歌、歴史的・地域的にも広がりを持たせました。
 その傾向は『讃美歌21』で更に強くなります。
 わたしたちの礼拝は会衆讃美なので、集まった聴衆が歌集を開いてすぐに歌うことを基本とします。西洋音楽の基礎が分かっていれば歌える『讃美歌(1954年版)』は、その点、非常に適しています。
 しかし逆に言えば躍動感に欠けることもあり、何より時代が古くなって更なる新しい歌、ひいては歌集が必要になってきたのは当然です。
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 ただし『讃美歌21』を見ると、曲の選択が非常に難しくなりました。バラエティに富みすぎ、会衆が歌えるかどうか、歌う練習や曲の背景の学習がどのくらい必要か、礼拝に責任を持つ者が判断しなければなりません。
 一言で評するなら玉石混交です。たとえば21-1「主イエスよ、われらに」は歌うのが難しいと思います。しかし、歌集の1番には性格が表れるといっても過言ではなく、礼拝で『讃美歌21』を本格採用するなら分水嶺にしてもいいと思います。
 21-480「新しい時をめざし」は、わたしが今まで会ったオルガニストは皆ひけないと言います。パーカッションを加えたいサンバですし、大曲教会では特例でピアノ伴奏にしました。南米はキリスト教大陸ですし地域的な広がりを考えると、こうした讃美歌も現代はレパートリーに入れておくべきです。しかし大多数の日本人にとってはいつでも誰でも歌えるわけでないことも踏まえるべきです。
 前回のコラムで池ヶ谷長老が書いように佳曲も多くありますが、『讃美歌21』は歌集としてクセが強いことを皆さんが承知しておいてください。