コラム

聖書・讃美歌の拡大コピー

飯田敏勝

 受付にクリアファイルに入った、その日の礼拝の聖書および讃美歌の拡大コピーを用意してあります。
 部数は限られていますが、ご自由にお使いください。
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 実は以前の教会でも作っていたのですが、草深は参列者数も多いので、とりあえず様子見していました。
 ですが『讃美歌第二編』や『讃美歌21』の曲を、月を通して歌うことが増えました(毎週全部の讃美歌を換えると紙も使いますので)。
 また何より、先日主日礼拝の奉仕がないとき、一番後ろの席に着いたときのことです。参列者の中に、聖書や讃美歌の小さな文字を虫メガネも使いながら懸命に追っている方を見受けました。昔取った杵柄を、すぐにでも出していいかと判じた次第です。
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 聖書や讃美歌は、自分のものを礼拝にも持参して使うのがよいという感覚が、どうも日本には強いようです。ですが、マイ箸とマイお茶碗を定めている文化に影響されていると思うのです。
 欧米では自分専用のカトラリーや食器を決めたりはせず、家族内で共有します。聖書や讃美歌も教会に備え付けのものを用いるのが一般的です。
 もちろんマイブックであれば、書き込みがあって過去と対話ができたり、頁の開き具合に馴染みがあったりします。その本で礼拝することを止める必要は、全然ありません。
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 ただ、先に述べたように目が遠くなった方や、重い本を何冊も運ぶのが大変になった方もいます。特に、本の文字を大きくしようとすると、大型の版にしなければならない葛藤が生じてしまいます。
 以前の教会ではこのファイルが、赤ん坊連れの方にも本を持ち換える必要がないと好評でした。
 教会に全く初めの新来会者にはもちろんですが、教会によって式順や使う讃美歌集や聖書翻訳が違ったりしますので、他教会員の参列者にもお薦めです。
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 わたし自身も老眼が始まっていますが、更に高齢の方々の目がどんな具合かは想像も及びません。
 他教会の信徒ですが、ファイルの文字よりかなり大きい文字で手紙を出したことがあります。それでも見え難い程の目の病気でしたが、牧師先生から届いたのだからと数日かけ小分けにしながら読破されたと聞きました。
 礼拝に関して減らせるストレスは減らして、神さまに心を向けるためにこそ集中していきたいものです。そのための工夫や、配慮し合うこと、奉仕し合うことが、スムーズになされていければと願っています。