コラム

讃美歌歌詞のプロジェクター投影

飯田敏勝

 礼拝での、讃美歌歌詞のプロジェクター投影が始まりました。ま、昔シーツに手書きで歌詞を書いたりしていましたが、その現代版です。
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 これは世界的な流れでもあります。スコットランドに留学経験のある牧師から聞いた話では、どんな小さな田舎の教会でもしているとのことです。新しい会堂なら元々スクリーンが設計に組み込まれているし、韓国でも同じ状況と聞いています。
 前任地大曲教会も導入しました。同じように実施した教会の事例を聞くと、概ね好評です。
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 メリット(長所)は、まず文字が大きくなることですね。
 また歌集に視線を落とすよりも、前を向いて胸が開くので、歌声も出やすいはずです。司式の立場からすれば、皆が視線を上げるので、心の向きも揃ってくることです。
 そして、差別語・不快語の読み換えも指示が出しやすいことです。
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 デメリット(短所)は、時々歌詞の入力間違いがあること。パソコンなどの機材トラブルがあり得ること。よく知らない讃美歌だと、どうしても楽譜を見たくなることですね。
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 そもそものところで、礼拝での讃美歌をいかに歌うのか、改めて考えねばなりません。
 礼拝中の聖書は〈朗読〉されて皆に聞かれる(なおかつ、それに聞き従っていく)べきものですが、実のところ、個々の参列者が文字を目で追うことに専念しがちです(もちろん、耳でも聞いているのでしょうが)。
 讃美歌も、個々の参列者が楽譜通りに自分で発声することに関心が向きがちです。「こころを高くあげよう」(Ⅱ-1)は、讃美の基本姿勢です。それを実現するには、単に気持ちを込めるだけでなく、実際に姿勢も整えねばなりません。
 しかし、従来の歌集を見る仕方では、限界があります。
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 オルガニストの奉仕も、皆の讃美をまとめるためにあります。
 祈祷会の祈りもそうですが、個々の参列者が献げるものは完全でなくてもいいのです。しかし、色や形が違う花も、コーディネーターによって花束に整え上げられます。その束をこそ、神さまにお献げするのです。主席コーディネーターはイエスさまです(マタイ18:19~20)が、讃美という祈りにおいてはオルガニストがそれに続きます。
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 礼拝の司式自体も同様の役回りがあり、プロジェクターのためのパソコン操作奉仕も司式に準じる奉仕になりましょう。