コラム

教会~教会の教えと教会への手紙~

飯田啓子

 2023年度の水曜日祈祷会は、主題「教会 ~ 教会の教えと教会への手紙 ~」のもとに行われました。これは教会学校が用いている教会学校教案をベースにしたもので、2024年度は主題「イエス・キリスト~マタイによる福音書~」によって御言葉を聴く礼拝が行われます。

 「教会の教え」では主の祈りと使徒信条を単元として、教会は何を信じ何を伝えるのか、が根底にあったと思います。そして「教会への手紙」では、新約聖書の書簡から聴きました。
 今回、改めて新しく見直すことが出来たのは、新約聖書27巻中21巻が手紙ですから、教会の教えが新約聖書の大半を占めているという、当たり前の点です。教会の教え。教会が教会の中に生きる人を対象として、教えているのです。
 今回、新約聖書一覧表がとても役に立ちました。21巻の書簡は、パウロの書簡と公同の書簡に分別できます。新約聖書の目次を開いて、「〇〇の信徒への手紙」とあるものはパウロ書簡、ヤコブやペトロなど差出人の名前が付いた手紙は公同書簡です。
 パウロの手紙はパウロから各地の教会に宛てたもの、公同の手紙は全体教会の指導者が各教会(迫害に苦しむ信仰者達)に書いた手紙です。その差出人の名前はヤコブ・ペトロ・ヨハネ・ユダであり、主イエスの12弟子ですから古参。片やパウロは新参者です。でも復活のキリストによって召命を受け、献身した者としては、全員が直参(じきさん)です。人の目から見れば長く仕えた人が重用され、新参者は発展途上的と考えますが、主の目から見ればみんな直(じか)に参与にあずかった直参。
 私たちは自分や人を中心に考えるので、自分が参加していると思いますが、教会・神の国では上からの招きがあって、ここから始まっているのです。そして招きにお応えする生活が増え広がるのです。招きが先で参加が後。キリストを生きる人の姿がここにあります。

 3月17日に東京神学大学4年生の吉岡優介神学生を説教者として迎えます。一度、話をする機会があったのですが、彼はスポーツ科学部を卒業して、お笑いの道を選び、芸人として修業をして、やがてその道では無いと思って一般の会社に就職。そして召命を受けて献身。4月からは大学院で学ぶ予定です。
 芸人だった人が伝道者になる。私は私立探偵から伝道者になりました。実に神様の参与はバラエティ豊かだと思います。自分が先ず選び、加わる、という生き方から、招きが先で、お応えする生き方へと整えられていく。
教会が教え続けているのは、この召命と献身なのです。