コラム
礼拝と関わる教会行事
飯田敏勝
キリスト教の三大祝祭日は、クリスマス、イースター、ペンテコステです。教会暦もこれらを拠点に定められます。
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その他に、日本基督教団の「行事」として以下のものが挙げられます。
元旦礼拝、信教の自由を守る日、世界祈祷日、労働聖日(働く人の日)、母の日、アジア・エキュメニカル週間、子どもの日(花の日)、日本基督教団創立記念日、平和聖日、世界聖餐日、世界宣教の日、神学校日、伝道献身者奨励日、信徒伝道週間、教育週間、宗教改革記念日、聖徒の日(永眠者記念日)、障害者週間、収穫感謝日、謝恩日、社会事業奨励日。
これらは由来も様々(発祥の場所や時期、行われている地理的範囲)で、すべての教会がすべての行事を守っているわけでありません。ただ、どんな行事を守るかによって、自他共に、その教会が何を大切にしているかを表明することにもなります。
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わたしなどはプロテスタント教会の歴史的起点を覚える上で、宗教改革記念日が、三大祝祭日に次いで大切だと判じます。もっとも昨今、そのように考えて実践につなげている者は、必ずしも多くないようです。
わたしが大曲教会に赴任した当初、秋田地区の講壇交換礼拝は10月末の日曜に行われていました。雪が降る前にという実際的な理由もあったのでしょう。
しかし、宗教改革記念礼拝を自分の教会で守れないという理由で、わたしは異議を唱えました。赴任している教会への、説教による牧会にも関わるからです。(結果、講壇交換は6月末に変更になりました。)
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わたしが教団の教育委員であったとき、『教師の友』のプログラム作成に携わっていました。聖書箇所を決めると共に、どの教会行事をとり上げるかでも結構、議論が交わされました。
各教会学校で取り扱われる行事が違います。一昔前には当たり前だった母の日(および父の日)も、現在一人親家庭増加などで配慮が求められています。収穫感謝も地域の農作物収穫期との関係で、日程をズラすという話を聞きました。
現行プログラムは三年サイクルであり、その三年の中で一度ずつ、母の日、子どもの日(花の日)、平和聖日、宗教改革記念日、収穫感謝をとり上げることにしました。
付属施設との関連や、古今の宗教的意義を考慮し、妥当なところではないかと思います。
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宗教的な行事は単なる慣習ではなく、祭儀の意味合いが大いにあります。どのように礼拝を形作るかにも関わり、結構重要な判断になるものでしょう。