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この約束は、あなたがたにも、あなたがたの子供にも、遠くにいるすべての人にも、…神である主が招いてくださる者ならだれにでも、与えられているものなのです」。

神は、約束を果たされました。主メシアを世に送り、救いを成し遂げてくださいました。わたしたちが今こうして神の御前にいるのも、キリストによって、神が約束をすべて果たされたからです。神の約束は、さらに世の終わり、神の国が実現されるまでつづきます。

ここで忘れてはならないのが、聖霊の約束です。あなたがたのために救い主を送る。メシアを送る約束は、主に預言者たちを通して伝えられました。これに対し聖霊の約束は、御子キリストを通して、じかに、わたしたちに与えられました。「わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者＝聖霊を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる」（ヨハネ１４章１６）。「わたしは父が約束されたもの（＝聖霊）をあなたがたに送る。高い所からの力（＝聖霊）に覆われるまでは、都にとどまっていなさい」（ルカ２４章４９）。

キリストは、わたしたちの罪のために十字架にかかり、死んでよみがえられました。それから５０日目、約束どおり聖霊が、弟子たちの上に注がれました。生まれたばかりの教会は、聖霊の力に満たされて、キリストこそすべての人の救い主であると、福音の宣教に生き始めることができました。すべては、神の御計画どおりに進められていきました。

聖霊の働きを思うとき、御子キリストと聖霊を切り離して考えることはできません。聖霊こそが、イエスをキリスト・救い主と証しするからです。キリストは聖霊によってマリアの胎内に宿り、お生まれになりました。罪に満ちたこの世界に、罪なきキリストが聖霊によって宿り、わたしたちと共に生き、そして死んでくださったのです。

ペンテコステの日、聖霊に満たされてペトロは告げました。イスラエルの人びとが十字架につけて殺したイエスを、神は主となし、すべての人の救い主になさったと。イスラエルとは、全人類の代表です。神はわたしたち人類を救うために、まずアブラハムをお選びになりました。すべての民は、アブラハムの子孫、すなわちイスラエルを通して、救いに入ることになっていました。ところが、神に選ばれていたにもかかわらずイスラエルは、イエスその人を十字架につけて殺してしまいました。わたしたちを救いに来たその御方を、わたしたち人類はこの手で、十字架につけて殺してしまったのです。

イスラエルそして人類が失敗したのなら、アブラハムの子孫によって人類を救う、という神の計画はダメになってしまったのでしょうか？　いいえ、そんなことはありません。なぜなら、わたしたちが十字架につけて殺したイエスこそ、真のアブラハムの子孫、ダビデの王座を受け継ぐべき御方だったからです。神に選ばれたイスラエルは、確かに罪に負けました。罪の力に負けて、救い主イエスを、十字架につけました。しかし、神が遣わしたキリストは、どのような罪にも不信仰にも決して負けません。ペトロが証ししたとおり、一度は死なれたイエスを、神は「復活させられたのです。わたしたちは皆、そのことの証人です」。神はイエスを「陰府に捨ててはおかれず、その体は朽ち果てることが」ありませんでした。むしろ、主がわが主に仰せになったように、「わたしの右の座に着け。わたしがあなたの敵をあなたの足台とするときまで」。

このイエスに、神は、すべてのものに勝る名をお与えになりました。天高く上げて、御自分の右に座らせました。ペトロは聖霊にうながされて、はっきりこう告げています。「イエスは神の右に上げられ、約束された聖霊を御父から受けて」、わたしたちに「注いで」くださった。あなたがたはもう、このことをその目で見て、確かに聞いているではないか。ペンテコステの日、わたしたちは一人残らず、このキリストから聖霊を受けました。聖霊をキリストが注ぐのを、この目で見て、確かに聞いたのです。これは確かなことです。二千年前のあの日から今日に至るまで、神の右にいるキリストから、わたしたち教会は、聖霊を受けています。今も確かに受け取っています。聖霊が止む日は決してありません。

聖霊が、教会を新しいイスラエル、神の民として生まれさせてくださいました。教会に集うわたしたち一人ひとりを、神の子どもとして、聖霊が新しく生んでくださったのです。聖霊によって生まれた御子が、御父から聖霊を受け取り、わたしたちに注いでくださっています。だから、罪人にすぎないわたしたちも、「天にましますわれらの父」と呼ぶことができます。これら救いの出来事はすべて教会、すなわちキリストの体の中で始まりました。

御子が、肉を裂き血を流して、罪の世界から勝ち取られたのが教会です。自身の体・教会を地上で形づくるにあたり、キリストは、ご自分を宿らせた聖霊を、わたしたちに注ぎました。だから、わたしたちは、キリストの体、教会として立つことができます。聖霊がわたしたちと共にいて、とりなしてくださらなければ、どうして神の御前に立っていられるでしょう？　聖霊なしには、わたしの主わたしの神よと、キリストを信じることができませんでした。けれども天の父は、わたしたちを愛して、御子を通して、ご自身の霊を今もわれらに注ぎつづけておられます。この恵みによって、わたしたちはキリストを信じ、洗礼を授かることができました。洗礼を受け、教会に接ぎ木されたわたしたちは、一人残らず、聖霊を受けています。聖霊によって、キリストの一部とされています。キリストの中にいて、この方と共に生き、この方と共に死ぬことができます。この方と共に死んだなら、キリストと共によみがえります。永遠の命を生き、キリストと共に神の国を受け継ぎます。こうして聖霊は、わたしたち一人ひとりと教会を日々新たにし、キリストの民としてくださるのです。この良い知らせを、今まで以上に信じて、よりいっそう主を愛する群れになりたいのです。

世界は今、産みの苦しみの最中にあります。しかし、苦しみの果てには必ず希望があります。キリストが、新しい天と地を携えて、もう一度来てくださいます。この希望に生き続けられるよう、終わりの日まで聖霊が、わたしたちとこの世界を励まし導きます。キリストと神の国を、この目で見る。そのときまでの、今しばらくの苦しみです。この苦しみは、やがて大いなる喜びに変えられるでしょう。この喜びの入り口に、すでにわたしたちは立っています。キリストと共に立っています。このことを聖霊が、証し保証してくださっています。